高知県立安芸高等学校にて第2回減災教育を行いました

2023.12.07

お知らせ

高知県立安芸高等学校にて第2回減災教育を行いました。

令和5年12月7日に高知県立安芸高等学校の全校生と教員約90名に参加いただき、減災教育を行いました。
同校で第2回開催となる今回は、「災害に負けない人になろう!命を守るために必要な正しい考動(自ら考えて行動することを)を学ぼう」をテーマに、2年生は2つの教室に分かれてオンライン参加、1・3年生はメイン会場(対面)で行いました。
講演講師には前回に引き続き、NPO法人 減災教育普及協会 理事長 江夏 猛史 様をお招きし、株式会社フタガミ様、ダイドードリンコ株式会社様にもご協力いただきました。

メイン会場(対面)

教室(オンライン)


講演に先立ち、当社社員が現在 施工中の同校(高知県立安芸中・高等学校)新校舎の特性や工事の進捗状況、減災教育に取り組む理由について説明しました。

 

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■当社が減災教育をする理由

同校の新校舎にも言えますが、"新耐震基準を満たしている建物なので、地震がきても大丈夫"と思っている方が多くいますが、それは誤りで必ずしも安全とはいえません。
新耐震基準を満たす建物とは、震度7程度の地震が発生した場合において"倒壊はしない建物である”ということです。倒壊はしないが、「棚が倒れる」「机が飛んでくる」「窓ガラスが割れる」「テレビや照明、エアコンが落下する」など様々なことが起こるので、頑丈な建物に居ても被害を受ける可能性は多いにあります。
災害時において被害を最小限に抑えるためには、『強固な建物』と『その施設を利用する皆さんの意識や知識』が重要となります。

当社は強固な建物はつくれても被害をゼロにすることはできません。また、強固な建物を提供されたことにより安全になったと思い、災害対策がそこで止まってしまう場合が多いのも事実です。
ひとりでも多くの人を災害から守りたいとの想いから、同校学生には新校舎の建物の強さや立地の特性を理解したうえで事前に被害を予測し、自分の命を守れるように減災教育を行いました。

 


NPO法人 減災教育普及協会 江夏理事長による講演

テーマ『災害に負けない人になろう~命を守るために必要な正しい考動とは~』

 

NPO法人 減災教育普及協会 江夏理事長の講演の様子

 

江夏理事長は、主体的に避難行動を考えることの重要性を伝えられてました。
地震発生時に起こりえる被害や適切な対応は時と場所で変わるため、安全性が高い新校舎に移っても臨機応変な判断が求めれる。
"地震がおきたら、どこが危険なのか、何から逃げるのか”、災害でも相手を知ることが大事であり、それに対してどう対応するかを常に考えて行動すること。油断せずに適切な対応を探り続けることをしてほしいと生徒に説かれました。

過去の震災の被害に触れ、倒壊していない建物内でも知識があれば助かったかもしれない方が多数いることを説明したうえで、机の下にもぐったり、頭を抱えたりする「ダンゴムシのポーズ」が安全なわけでなく、むしろ安全な場所へ逃げるためには、両手を広げて踏ん張る「カエルのポーズ」や、重心を低くした「トカゲのポーズ」が有効であると説明もありました。

■体験学習「起こりうる被害を想定して考動しよう!」

受講後は周囲のリスクを判断し、生徒が自ら考動(考え行動することを)しています。


体験学習として、落下する可能性のある20kgの天井板の重さや、地震の揺れを体感しました。
激しい揺れの中、ダンゴムシのポーズでは周囲を見ることができず移動も困難。安全な場所へ逃げるためには、両手を広げて踏ん張る「カエルのポーズ」や、重心を低くした「トカゲのポーズ」が有効であることを実感していました。

天井板(20kg)の重さを体験

天井板(20kg)の天井板が落下してくる可能性もあります。

震災の揺れを体験

ダンゴムシのポーズは大きく揺れると転がってしまいます。

 

〔講義後アンケート集計結果〕
※画像クリックで拡大表示

〔令和5年12月8日発行の高知新聞掲載記事〕

 

来る南海地震については専門家による様々な予測がありますが、実際のところ起きてみないと分かりません。 実際に2011年3月11日の東日本大震災では想定を超える高さの津波が到達し、甚大な被害となりました。我々が予想もしていないような自然現象が起こりえるのです。
「建物が新しくて耐震性があるから大丈夫」という考えを改めていただき、起こりうる自然災害から命を守るために、自身で考え動く"考動”できる人になってもらいたい、考動できる人を増やして一人でも多くの人を災害から守りたいとの想いから、当社では減災教育を通じて『継続した安全の提供』に取り組んでおります。
今回参加されました皆様が、本授業で得た知識や経験を家族の方や友達に伝えていただき、一人でも多くの方に『減災の輪』を広げていってくださいますことを願っております。