第18回 公共建築賞「公共建築賞・優秀賞」を受賞しました

2023.06.01

表彰受賞

公共建築賞は、昭和63年(1988年)に一般社団法人 公共建築協会様の設立20周年を記念して創設し、国土交通省(旧:建設省)、全国知事会、全国市長会及び全国町村会の後援を得て、隔年で実施されています。
当賞は他の建築賞に比べて、竣工後3年以上経過した公共建築を対象としていることの他に、評価の基準として、設計施工が優れているということのみでなく、地域社会への貢献や施工管理、保全といった視点からも評価を行うことに特徴があります。
今回、全国から応募のあった122点の公共建築について、全国の9つの地区審査委員会(第1次審査)による審査後、本部審査委員会(第2次審査)による審査の結果、優れた建築物として全国で33点(四国地区からは3点)の建築物が「公共建築賞・優秀賞」に決定し、当社が施工を担当させて頂きました「中土佐町1号津波避難タワー」がその中の1件に選ばれました。

 

施設概要

 所在地   高知県高岡郡中土佐町久礼6781-1 
 建物用途  防災施設
 施設面積  662㎡
 構造形式  鉄骨造、地上3階(3階床高さ TP+20m)
 延べ面積  701㎡
 竣工年月  平成26年6月
 事業者   中土佐町
 設計者   株式会社 若竹まちづくり研究所
 施工者   新進建設 株式会社

評価

 津波避難タワーは、近くに高台のない漁村等や海岸に近い市街地において、津波に対し早急に避難するための大変重要な施設です。
 しかし、その多くは鉄骨丸裸の無粋な工作物で、地域景観に対し違和感のあるものとなっています。さらに、通常は出入口が閉ざされ、立ち入りできないものとなっています。
 しかし、中土佐町第1号津波避難タワー(津波避難タワーという)は、開放的なものとなっており、周辺住民に日常的な散歩やウォーキング路等として使われており、かつ、町民に愛されるものとなっています。また、この津波避難タワーは、太平洋を望む展望台、休憩所としても利用され、事実、調査時には、遠足できた女子高生の3人組がタワー最上階のベンチで昼食、談笑が見受けられました。
 さらに、津波避難タワーは重要文化的景観地区に指定された区域に立地しているため、一般に味気ない津波避難タワーに対し、デザイン的な配慮もなされています。
 また、津波避難タワーの構造は、コンクリート充填鋼管柱による杭柱一体化工法をとり、津波による引き抜きに対して十分な抵抗力を確保し、円柱形状の柱は、漂流物の引っかかりを防止する防舷作用効果を高める構造となっています。
 以上により、津波避難タワーは観光客の避難を視野に入れ、普段は展望台としての利用を期待するなど非常時だけではなく、普段から使われる施設なっており、従来の工作物としての津波避難タワーから脱却し、日常利用をめざした新しい津波避難タワーの提案を行っています。

(四国地区審査委員長 大谷 英二)




〔 高知新聞 2023.5.31 〕